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トイレトレーニング(おむつはずれ)

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「魔の2歳児」の特徴を知って、楽しくトイレトレーニング!

2018.03.28

トイレトレーニングを始めることの多い2-3歳は、「魔の2歳児」と呼ばれる時期。なんでも「イヤ!」と言うわが子に、困り果てるママも。しかし、そのイヤイヤ行動の背後には子どもの脳と心の成長があります。それを知っておけば、親子そろってトイレトレーニングに向き合えるかもしれません。比較認知発達科学の専門家の先生に、親子で楽しくトイレトレーニングをするコツを教えてもらいました!

取材協力:ユニ・チャームunicharm

取材協力

明和(みょうわ)政子先生
京都大学大学院教育学研究科・教授

生物としてのヒトの心のはたらきを、ヒトにもっとも近縁なチンパンジーと比較することで、ヒト独自の心のはたらきが芽生え、発達する道すじを科学的に明らかにする「比較認知発達科学」という学問分野を世界にさきがけて開拓。胎児期からの脳や心の発達、親子の愛着形成について研究されています。

「魔の2歳児」の時期の子どもの特徴は?

「ほめられたい」「ママにわかってほしい」と思っている!

トイレトレーニングが始まる2-3歳の頃は「魔の2歳児」とも言われますが、具体的に子どもたちはどんな発達状態にいるのでしょうか?

明和先生

この時期の子どもたちは、相手から自分がどう見られているか気づき始めます。「恥ずかしい」「褒めてほしい」「注意を向けてほしい」などといった感情が沸き立つ、いわゆる「自我の芽生え」が始まる時期です。
また、この時期には、言葉をそれなりに使えるようになり、自分の想いを相手に伝えたいという気持ちが高まります。うれしいことばかりではなく、「これはイヤ」という感情も言葉で表現しようとします。親御さんの立場にたつと、それまで素直だったわが子が、突然「イヤ」と言うようになってしまった、と感じてしまうのでしょう。

本当は、「うれしい」とか「やりたい」というポジティブなことも子どもはたくさん言っているけれど、親の心には「イヤ」などネガティブな言葉の方が残ってしまうのですよね。

明和先生

大事なのは、この時期の子どもたちがなぜ自分の気持ちを言葉で表現するかというと、「相手に気持ちをわかってほしい・伝えたい!」と思っているからなのです。子どもたちが発するどのようなことばであっても、親はできるだけそれを受け止め、子どもの伝えたいという気持ちを受けとめてあげる、そうした緩やかなコミュニケーションが理想的かと思います。2-3歳という時期はまだことばが未熟でうまく伝えられない時もあります。それでもがんばって自分の感情をことばで表現しようとしていることを理解し、それを助け、受けとめるよう導いてあげることが大事だと思います。

トイレトレーニングでのコミュニケーションは?

わかりやすい言葉でほめてあげよう!

その2-3歳児の特徴を、トイレトレーニングに活かすには、やっぱりほめることなのでしょうか?

明和先生

トイレに行ってうまくできれば、やっぱり子どもたちはほめてほしいのです。しかし、当然ですが2-3歳の子どもは、すぐにトイレで排泄することができませんね。失敗もしますし、行きたくない時だってあります。その気持ちを「行きたくない!」と伝えようとします。なぜ行きたくないのか、なぜイヤなのか、までは表現できないのです。その結果、トイレに連れて行きたい親と子どものあいだに葛藤が生まれます。子どもにとっては、自分なりに表現している「行きたくない」という気持ちが親に伝わらない。親は、なぜ子どもがトイレにいくことを嫌がるのかわからない。親子ともにストレスを強く感じてしまう原因はここにありそうです。

ほめてあげたいけど、なかなかほめるシーンにたどりつかないことも多いですよね…。

明和先生

当然、仕事や子育てに奔走しておられる親御さんは、子どもの思いにいつも応えてあげられるわけではありません。それでも、子どもの気持ちを受けとめる機会を意識的につくろうとすることは、親自身が子育てを楽しむうえでとても有効です。子どもは自分の気持ちを親がちゃんと理解してくれたと安心、満足し、それを目の当たりにする親も、子育てに自信がもてるようになる。トイレトレーニングに話を戻すと、トイレに行けたことを親からほめてもらえれば、子どもは「ちゃんとできた!」という達成感を、親のほうはトイレトレーニングの成功に子育ての手ごたえ感じることができる。つまり、子どもと親双方に、「自己肯定感」が芽ばえるのです。親子ともに「トイレに行けたね」という満足感の共有が重要なポイントになると思います。

そういうときには、どういう言葉で声かけしてあげればよいのでしょうか?

明和先生

子どもにとって、わかりやすい言葉でほめてあげるのがよいと思います。
「トイレに行ってみようかな?」という仕草、あるいは言葉を子どもが発した時に、「すごいね!じゃあ一緒に行ってみようか!」という言葉をちゃんと伝えてあげることです。そしてお子さんに笑顔で返してあげる。そして実際にお子さんがうまくできた時は、やっぱりもう一回「すごいね!トイレでできたね!」と、わかりやすくほめてあげましょう。ことばだけでなく、抱きしめるなどのスキンシップも効果的であることが科学的に証明されています。

トイレトレーニングで
「うまくほめられない」と悩んだときは?

さまざまなツールを上手に取り入れるとうまくいくことがある!

頭ではわかっていても、ポジティブな声かけをいつもできるとは限りませんよね?

明和先生

それは簡単なことではありません。現代社会では核家族が8割を超え、お母さんひとりが日常の子育てを担っているご家庭が圧倒的に多くなっています。一昔前はお母さんだけではなく、おじいちゃんおばあちゃん、兄姉、地域社会の仲間など、子どものようすを見守り、心身の発達を支えてくれた人がたくさんいたわけです。ヒトは「共同養育」という形態、つまり、お母さんだけでなく、所属する集団の仲間とともに子育てをおこなって進化してきたとみられます。現代の孤立した子育ては、人類進化のなかで未曾有の事態です。お母さんが過度な育児ストレスを抱えてしまうのは当然のことなのです。現代版の共同養育をこれからの社会に創り上げていくことが必要です。

トイレトレーニングの場面でも、核家族化というのは影響しますか?

明和先生

お母さんが「トイレに行こうよ」とくりかえし言っていると、子どもは「いや!」と言いがちになってしまいます。それは、お母さんのストレスを高め、その気持ちが今度はお子さんに伝わり、トイレトレーニングがかえってうまくいかないという悪循環が起こります。その時に、お母さん以外の誰かが声をかける、たとえば「じゃー今度はおばあちゃんと行ってみようか?」など、いつもと違う誰かからの声かけがあると、お子さんはその人にかっこいい自分をみせたくて、ほめてほしくてトイレにいこうとするでしょう。

なるほど。そうなると、ママ・パパ以外に育児をする人がいない核家族の場合は、人以外のツールを使うことが有効かもしれないのですね?

明和先生

ひと昔前までは日常的な光景であった共同養育を取り戻したい。しかし、時間を戻すのは不可能です。他の方の手を借りて子育てができない方のために、トイレトレーニングという場面で少しでも親子のコミュニケーションを支援できないかかという思いから、ユニ・チャームさんと一緒に新しいおむつ開発に挑みました。

新しい概念のトイレトレーニング用パンツとは?

「不快」を感じさせるものから、
「笑顔で楽しい思い出」になるものへ

トイレトレーニング用のパンツが、コミュニケーションを助けるツールになるとはどういうことでしょうか?

明和先生

発達心理学の観点から、次の3つのポイントに焦点をあてました。
1つ目は、「おなじえさがし」というゲームです。オムツに描かれてあるイラストのなかで、「これと同じ絵はどこにあるかな?」と親子がゲームのように一緒に探すのです。発達心理学の専門用語で「共同注意」と言います。すでにお話したように、自分の気持ちを親御さんと共有したいという気持ちが目立って発達してくるのが2-3歳です。親の方も、お子さんのそうした思いを受けとめる機会があると、子どもと心が通じ合った気持ちになります。親子で「このオムツでこんな楽しいことを一緒にやったね」という心地よい経験を共有できるわけです。

トレーニング用のパンツで遊べたら、喜んではくようになりそうですね。ほかにどんな工夫がありますか?

明和先生

2つ目は「わくわくおえかき」という、トレーニングパンツに絵が描けるスペースをつくりました。これも親子でいっしょにお絵かきをする共同作業によって、親子でいっしょに作った「世界でひとつしかないマイおむつ」ができるのです。「どこにも売ってないとっても大事なおむつなんだ!」という感覚が、お絵かきを一緒にするという経験の中で生まれてくることが期待されます。子どもはそのおむつをとっても大事にしようとします。もちろん、こうした気持ちの高まりがただちにトイレトレーニングの成功にむすびつくとは思えません。しかし、「このおむつを汚したくない。大事に使いたい」という前向きな気持ちでトイレに行こうとすることこそが子どもにとって大事であると思われます。

おむつを楽しんで、大事にするって新しい使い方ですね。3つめのポイントはどんなことでしょうか?

明和先生

先ほどお伝えした「自己肯定感」をおむつを介してわかりやすく子どもに伝えるために、「ごほうびシール」をつけました。トレーニング用パンツ一つひとつに付いているシールを台紙に貼っていき、「何回一緒にトイレに行けたかな?」「オシッコができたかな?」ということを、目に見える形で残していけるのです。子ども自身も「こんなにたくさん成功したよ!」「自分はこんなにがんばることができたよ!」と、自分への自信を高めることができます。親御さんにとっても、その記録は「一緒にこんなにがんばったよね!」と、言葉にして褒めてあげるきっかけになるのです。
言葉だけでほめられても子どもは「なぜ自分がほめられているのか?」がわからないときもありますが、シールという目に見えるものがあることによって、ほめられた理由がわかりやすくなるというメリットがあります。台紙に貼ったシールの多さや数を子どもと共有することによって、親子で一緒に「これまでがんばってきたよね」ということと、「次もまた一緒にがんばろうね」という気持ちが、お互いの心の中で大きくなっていくでしょう。

トレーニング用パンツというと、「濡れた感覚」を覚える物理的なツールだと思っていましたが、親子で楽しんで、心の成長も促しながらトイレトレーニングするものになるって、とても斬新なことですよね?

明和先生

従来のトイレトレーニングの方法は、おむつが濡れたという「不快感」をできるだけ子どもに感じとらせるように作られてきました。気持ち悪いから、おむつを脱ぎたい、トイレで排泄をしたいという行動を誘発しようという発想です。しかし、こうした従来のやり方では、子どもにとってトイレに行くこと、オムツを替えることが嫌な記憶として残ります。トイレに行くことも嫌がるようになるでしょう。そうすると、親御さんのほうも、トイレトレーニングが思うように進まずストレスがたまります。
今回新しく開発したトレーニング用パンツは、その発想が180度転換されています。「子どもも親も楽しくトイレトレーニングをしよう」という発想から生み出されています。子どもは、親御さんと一緒に新しい自分たちだけのおむつを作る過程を楽しむ。そのオムツを大事にしようとする。トイレに行ったらほめてもらえる。ほめてもらいたいから、トイレに行く。こうしたとても心地よい気持ちのループを親子の間に提供することによって、トイレトレーニングがうまく進むのではないか、というのがねらいです。

トイレトレーニングはママたちにとって悩みのタネのひとつでしたが、世界にひとつしかないおむつを作るなど、楽しみになりそうですね。

明和先生

みなさんに知っておいていただきたい興味深いヒトの特性があります。それは、親子で顔と顔をつきあわせ、微笑みあるのはヒトという動物だけなのです。チンパンジーの親子ですら、笑顔で微笑みあうことはありません。ヒトは他者と嫌な感情だけでなく、心地よい感情までをも共有する独自の心を獲得してきました。その理由はわかりませんが、相手の喜びにまで共感する、相手の心に過度に敏感である一風かわった動物なのです。微笑みあうコミュニケーションは、ヒトの心の進化において重要な役割を果たしてきました。トイレトレーニングという場面で、そうしたヒトの心に特有の側面をうまく利用していただきたいと思います。

トイレトレーニングはしんどいもの、不快で辛い経験をしなければならないものと思い込んでいた方も少ないないのではないでしょうか。親子で楽しみ、喜びを共有し、トイレに行くことを促すことが期待できるトレーニング用パンツができたなんて、なんだかわくわくしますね。みなさんも「世界にひとつのマイおむつ」をお子さんと一緒に作って、トイレトレーニングの時期をぜひ楽しんでください!

絵さがしやお絵かき、シールを使って、親子が笑顔で楽しくおむつはずれを迎えられる、トレーニング用パンツについて詳しくはこちら

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