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子どもの予防接種

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子育てママが気になる予防接種のQ&A

2013.04.01

赤ちゃんの体に関わることだから、不安なことや心配なこともいっぱいの予防接種。事前にどんなことに気をつける?受けたあとのこんな症状だいじょうぶ? それぞれの予防接種の疑問にもお答えします。

事前に知っておきたい
基本Q&A

熱は何度以上なら接種をやめたほうがいいのでしょう?

予防接種は赤ちゃんの体にそれなりの刺激を与えるので、体調のよいときに受けるのが原則です。とくに体温は接種当日の朝に必ず測りましょう。一般的に37.5度以上の発熱がある場合には接種を控えます。平熱は多少個人差があるので、ふだんの平熱を知っておくようにしましょう。

予防接種を受けたあと、安静にするようにいわれましたが、どの程度でしょうか?

接種後30分間は、重症のアレルギー「アナフィラキシー」を起こす可能性があります。接種した場所(医療機関の待合室など)で、おとなしく待機しましょう。そのあとも過激な運動を避け、家の中で絵本を読む、DVDを見る、ブロックやパズルをするなど、比較的静かな遊びを工夫してください。集団接種の場合、年齢の近い子どもが対象なので、知り合いや、保育園・幼稚園の友だちに会ったりしますが、ママの都合でファミレスやカフェなどに寄ったりしないように。子どもの友だちを誘うのも控えましょう。子どもが集まれば、家の中でもめいっぱい体を使って遊んでしまうことになります。まっすぐ自宅に戻るようにしましょう。

生ワクチンの接種後27日間は、他の予防接種を受けられないのはなぜですか?

生ワクチンは毒性を弱めた細菌やウイルスを接種して、軽くその病気にかからせます。そのため、体内で病原菌が増殖して免疫がつくまで、約1ヶ月かかるのです。この間に他のウイルスの影響を受けないようにするためです。しかし、この期間を置いてワクチンを1種類ずつ打つのはなかなかたいへんなので、最近は生ワクチンは生ワクチンでまとめて、不活化は不活化でまとめて打つ医師も増えてきました。医師の考え方にもよるので、相談してみましょう。

複数のワクチンを同時接種して大丈夫なんでしょうか?副反応は?

同時接種は、アメリカやドイツ、フランスなど諸外国ではごくふつうに行われていて、長年の実績があります。複数のワクチンを同時に接種しても、ワクチンの効果に影響を与えることはなく、また、副反応が増えたり重くなったりすることもありません。「効率よく接種して抗体をつけられるので、より早く子どもを病気から守れる」、「病院に通う回数が減るので、親の負担が軽減する」などのメリットがあります。

定期接種

Hib(ヒブ)

Hibは早く接種したほうがよいと聞きましたが、本当ですか?

Hibも肺炎球菌も、ほとんどは5歳までにかかり、中でも1歳前の赤ちゃんがかかる頻度が高い病気です。特にHibは1歳前なら細菌性髄膜炎、1歳を過ぎても喉頭蓋炎(こうとうがいえん)を起こして急激に呼吸困難をきたす怖い病気です。そのため、予防接種はなるべく早く受けておくことをお勧めします。

最初に接種した月齢によって受ける回数が違ってくるのはなぜですか?

初回の接種が、7ヶ月未満の赤ちゃんだと3回、7ヶ月からは2回となりますが、それについての理由は公式には発表されていません。

これは憶測ですが、月齢の低い赤ちゃんのほうが、免疫の効果が持続する期間が短いからでしょう。病原体を殺して毒性をなくした不活化ワクチンは、年齢の低いときに接種すると2回の接種では効果が持続しにくいといわれています。そのため、小さいうちは2回より3回接種しようということなのでしょう。

肺炎球菌

Hibワクチンと同時に接種したほうがよいのですか? また、希望すればどこでも同時にやってくれますか?

何度も医療機関に足を運ぶわずらわしさから、同時接種を希望するお母さんが多いものです。海外ではHibと肺炎球菌の同時接種は当たり前になっています。日本でも、2011年に日本小児科学会が同時接種を推奨したため、ほとんどの小児科で同時接種が行われています。しかし、行っていない医療機関もまれにあるようなので、事前に問い合わせてみてください。また、ロタウィルスとB型肝炎の接種も希望している場合は、Hib、肺炎球菌とともに4種を同時接種することも可能です。

BCG

BCGを接種したところが黄色くなっていますが、放っておいていいのでしょうか?

BCGは9本の針がある「管針」を皮膚の2ヵ所に押し付けますから、計18ヵ所の針の針跡がつきます。接種後2~3週間たつと、ここが赤く膨らんだり、黄色くなって小さい膿を持つことがありますが、救急バンドを貼ったり薬をぬったりせずに、そのままにしておきましょう。普通は1週間ほどでカサブタになり、それがとれると薄い痕が残るだけなので心配ありません。ただ化膿の程度がひどくて膿がいっぱい出ているときは、細菌などの二次感染が起こっているかもしれないので、小児科医に相談しましょう。

四種混合ワクチン

乳児期に3回受ける4種混合I期を2回しか受けていません。どうしたらいいでしょう。

4種混合は、何回か受けることで免疫がつきます。通常は生後3ヶ月~12ヶ月までにI期初回3回を3~8週間おきに受けたあと、I期初回終了後6ヶ月以上の間隔をあけて、1歳~1歳半の間に受けます。計4回の接種になり、できれば全部受けるのが理想ですが、I期を2回受けていて6ヶ月以上経過してしまった場合には、接種後12ヶ月~18ヶ月にI期追加1回で済ませることもあります。I期初回2回を受けた月齢や間隔にもよりますから、かかりつけの小児科医に相談してみましょう。なお、7歳6ヶ月までなら公費で受けられます。

ポリオワクチン

ポリオのワクチンで、麻痺を起こした子がいると聞いたんですが…

2012年8月まで、定期接種のポリオは「生ワクチン」といって、毒性を弱めた生きたままのウィルスが使われていました。このウィルスが体内で再び力を取り戻し、子どもがポリオを発症して手足に麻痺が起こることが200万~300万に1回の確率で発生していました。

この問題を受けて、2012年9月から生ワクチンは廃止され、麻痺の恐れのない「不活化ポリオ」を導入。また2012年11月からは、三種混合(DTP)に不活化ポリオが加わった「四種混合ワクチン」が定期接種になりました。

不活化ポリオに切り替わる前に、生ワクチンを一度接種しました。今後の接種はどうすればいいですか?

生ポリオを1回だけ接種している子どもは、不活化ポリオを3回接種してください。生後12ヶ月までに3週間以上の間隔をあけて2回。さらに、6ヶ月以上の間隔をあけて、1歳~1歳6ヶ月頃に1回です。

麻疹・風疹混合ワクチン(MR)

麻疹は子どもが自然にかかってしまいました。風疹だけ受けたいのですが、受けられますか?

2006年の改正で、混合ワクチンの2回接種が開始されました。麻疹・風疹どちらかにかかった子でも混合ワクチンを打つことはできます。しかし、単独のワクチンもあるので、医師の診断もあって明らかに「麻疹にかかった」「風疹にかかった」という場合は、単独ワクチンを接種することができます。医師に相談してください。

ワクチンを接種しても、麻疹や風疹にかかることはあるのですか?

あります。ワクチンでできた免疫は、麻疹や風疹の流行でウイルスにさらされることで維持できるのですが、最近は流行も散発的で小規模なので、ワクチン接種から時間が経つと免疫が低下する傾向にあるからです。このため、I期、II期の2回接種に改正されたのです。

妊娠中なのですが、子どものワクチンから風疹がうつることはありますか?

生ワクチンの場合、軽く風疹にかからせて免疫をつくることになりますが、ママにうつすほどの感染力はありません。

むしろ、子どもが風疹に自然に感染して、それが妊娠中のママにうつってしまうことのほうが心配です。風疹抗体を持っていない女性が妊娠初期に感染すると、胎児の目や聴覚、心臓などに影響をおよぼす「先天性風疹症候群」を起こす可能性があるためです。

妊娠中は風疹ワクチンを接種することができませんから、ぜひ、子どもや夫が接種して、お腹の赤ちゃんを守りましょう。

日本脳炎

3歳まで待てば接種費用が無料になるのですか? それまで待っても大丈夫でしょうか?

日本脳炎ワクチンは標準が3歳なので、3歳になれば、自治体から無料の接種券が送られてきます。しかし、6ヶ月以降なら、希望すればいつでも無料で受けられます。その場合は、保健所など、自治体の窓口に申請して自分で接種券をもらってきてください。(自治体により対応が違うところがあるかもしれません)

特に、東南アジアや南アジアなど、日本脳炎の流行している地域に乳幼児をつれて旅行する場合は、3歳以下でもワクチンを接種することをお勧めします。

来年小学校に入学するお兄ちゃんが、1度も日本脳炎のワクチンを受けていないのですが……

日本脳炎ワクチンを接種したあと、きわめてまれですが急性散在性脳脊髄炎(きゅうせいさんざいせいのうせきずいえん/ADEM)という重い脳神経系の病気が起こる疑いがあり、厚生労働省は2005年から2009年6月まで接種を見合わせるよう勧告を出していました。しかし今は新しく開発されたワクチンに切り替わり、通常通り、定期接種が行われています。

接種が中断していた期間に対象年齢だった子どもの一部は、ワクチンを打ちそびれている可能性があります。そのため現在、国から救済措置がとられていて、平成7年6月1日~平成19年4月1日生まれの子どもは、20歳になる前日まで、日本脳炎ワクチンを無料で接種することができます。これには市区町村が発行する予診票(接種票)が必要です。一度も接種していない人、また、旧ワクチンを数回打ったけれど4回接種が完了していない人は、市区町村に相談してください。

水ぼうそう

水ぼうそうは、予防接種していてもかかるそうですが……

水ぼうそうは、ワクチンを打てば一生かからないと考えられていました。ところが、今は子どもの数が減っているため、昔のように自然に感染した子どもと接する機会も減ってきています。免疫は、このように自然感染した子どもと接してウイルスが体の中に入ってくることで再び活発に働くようになります。その機会が減っているので、小学校高学年ころから20代くらいにかけて、予防接種の効果が落ち、水ぼうそうやおたふくかぜにかかってしまうことがあるのです。数年前に、大学生などのあいだではしかが大流行して社会問題になりましたが、これも同じ理由からです。

これを防ぐため、日本小児科学会は水ぼうそうワクチンを2回接種することを勧めています。2回目は1歳6ヶ月~2歳未満(または初回接種後4~12ヶ月)に接種すると、高い予防効果が期待できます。

任意接種

おたふくかぜ

水ぼうそうとおたふくかぜは、どちらを先に受けたほうがいいのでしょうか?

水ぼうそうとおたふくかぜの1回目は、同時接種が勧められています。さらに麻疹・風疹混合(MR)も加えて、3つのワクチンを同時接種すれば、1回の受診で効率よく抗体がつけられます。

単独接種を希望する場合は、よりリスクの高い「おたふくかぜ」を先に接種することをおすすめします。おたふくかぜになると深刻な副作用が、それもけっこう高い確率で起こります。よく知られる無菌性髄膜炎は、10~20%もの頻度で起こります。また、あまり知られていませんが、片側の耳だけが聞こえなくなる変則性の難聴が起きることも。小学校高学年くらいの年長児になると、男の子は精巣炎、女の子は卵巣炎を起こして不妊の原因になることもあります。

おたふくかぜの予防接種は、無菌性髄膜炎という重い副反応を引き起こすことがあると聞いて心配です。

非常にまれに、おたふくかぜの予防接種の副反応として無菌性髄膜炎を起こすことがあります。しかし、自然におたふくかぜにかかって無菌性髄膜炎になるのに比べると、はるかに頻度が低いので、それを恐れて予防接種を受けないのは本末転倒でしょう。受けておくことをお勧めします。

以前おたふくかぜは1回接種だったはずですが、なぜ今は2回なのですか?

おたふくかぜのワクチンを1回接種した人のうち、じゅうぶんな抗体が得られるのは約90%ということがわかったためです。残りの10%の人は抗体がついていないため、せっかく接種をしてもおたふくかぜに感染してしまう可能性があります。2回接種をすれば、ほとんどの人が抗体を獲得できます。2回目の接種時期は、5歳~7歳未満が目安です。

インフルエンザ

インフルエンザワクチンは必要ないという専門家もいますが……

たしかにインフルエンザワクチンは必要ないという声もありますが、ワクチンを打ったほうが、インフルエンザにかかる人数を減らすことができるのは事実です。

たとえば、100人の集団があったとします。インフルエンザが流行したとき、だれもワクチンを接種していなければ、そのうち80人がインフルエンザにかかります。しかし、みんながワクチンを接種していれば20人ですみます。ワクチンにはそういう効果があります。

保育園や幼稚園など集団生活に入っている子どもは感染リスクが高いため、ぜひ接種を受けてほしいものです。子どもは大人に比べるとワクチンの効果が弱いので、まわりの家族も接種を受けることが大事です。

ロタウィルス

ロタウィルスのワクチンは、接種後、便にウィルスが出るのでしょうか?

はい。飲むタイプの生ワクチンなので、接種後10日間ほどは、子どもの便にロタウィルスが含まれています。この便中のウィルスによって周りの人がロタウィルス胃腸炎を発症したケースは報告されていませんが、おむつ替えのあとには、石鹸でよく手を洗いましょう。家庭内に免疫異常の人(先天性免疫不全やHIV感染者、放射線治療をしている、免疫抑制剤や抗がん剤をつかっている等)がいる場合は、特に気をつけてください。

ロタウィルスのワクチンは2種類あるようですが、どうちがうんでしょうか?

おっしゃる通り、ロタウィルスのワクチンは、2011年11月に発売された「ロタリックス[1価]」と、2012年7月に発売された「ロタテック[5価]」の2種類があります。併用はできないので、どちらか一つを選びます。

二つのワクチンを比較してみましょう。まず、スケジュールと回数のちがい。「ロタリックス」は生後6週から24週までの間に2回接種。「ロタテック」は、生後6週から32週までの間に3回接種です。

次に費用のちがい。ロタリックス2回分とロタテック3回分は、ロタテックのほうが若干安い傾向ですが、大きな差はありません(病院によって価格設定がちがいます)。

最後に、効果のちがい。人間に感染しやすいロタウィルスの型は5種類ありますが、「ロタリックス[1価]」は国内で一番流行して重症化しやすい1種類のウィルスだけで作られていますが、他の4種類の型にも効果を発揮します。一方、「ロタテック[5価]」は、遺伝子組み換え技術によって開発され、人間が感染する5種類すべてのウィルスをカバーしています。

実際のところは、二つのワクチンの効果や安全性は、ほとんど差がありません。スケジュールや費用を比べて、かかりつけの小児科でよく相談しましょう。

B型肝炎

B型肝炎のワクチンはあまり身近ではないのですが…必要ですか?

B型肝炎は、感染者の血液や体液中にいるウィルスによって感染します。無症状のまま自然に治ってしまう人もいますが、30%が急性肝炎を発症。感染が持続すると、慢性肝炎や肝臓がんへと進行してしまうのです。国内のウィルス保有者は推定100万人以上。

今までは、母子感染予防を中心に行われていました。妊婦健診で母親がウィルス保有者だとわかれば、出産時や産後に子どもに感染しないように対策がとられています。しかし、実際には、感染者の約60%は性行為によって、また30%は感染ルートが不明なので、母子感染対策だけでは不十分といえます。保育所で、だ液、汗、痰を介して集団感染したケースも報告されています。

海外ではB型肝炎ワクチンが定期接種となっている国がほとんどなので、日本でも定期接種化が求められ議論されています。ちなみに、国内でも、医師や看護師などは特に感染リスクが高いため、ほとんどの医療従事者はこのワクチンを接種しています。

監修/宮野孝一先生(みやのこどもクリニック院長)

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