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夫婦脳を知って、産後クライシスを回避する!5つのカギ

2018.01.24

なぜ夫婦はすれ違うのか――。この永遠のテーマに迫るため、今回は「脳の違い」に注目。夫婦脳を知れば、なるほど、男と女はすれ違って当たり前だったのです。『夫婦脳』『女の機嫌の直し方』などの著書を持つ人工知能の専門家、黒川伊保子さんに、ズバリ聞きます!

監修者プロフィール

黒川 伊保子(クロカワ イホコ)先生

人工知能研究者、脳科学コメンテーター。1959年、長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリにて人工知能(AI)の研究開発に従事した後、2003年株式会社感性リサーチ設立。脳機能論を用いた語感研究の第一人者。『名前力~名前の語感を科学する~』(イーステージ新書)、『しあわせ脳に育てよう!』(講談社)、『夫婦脳』(新潮文庫)、『女の機嫌の直し方』(集英社インターナショナル新書)など著作多数。近著に『母脳~母と子の脳科学』(ポプラ社)

1つめのカギ 女性脳はプロセスが大事、
男性脳はゴールが大事

ある日、妻であるあなたは、キッチンカウンターに小指をぶつけてしまいました。

「う~!ぶつけちゃった~。痛かった~!」。何気なく口にしたとたん、「なんで前からそこにあるのに今さらぶつけるの?」「注意が足りないんじゃないの?」「ぶつけないように手前の荷物を退けたら?」と、間髪入れず、かぶせてくる夫。

そ、そうじゃない!
大丈夫?って言ってくれれば、それでいいのに!
どうしてこの人はわかんないのっ!?

こんな些細なやりとりで、モヤモヤしたことがある(もしくはソレを引き金に逆ギレしたことがある)女性、少なくないのではないでしょうか。

どうにも相容れない、夫と妻の心。お互いに惹かれあって結婚したはずなのに、どうしてこんなにもすれ違ってしまうのか――。

「女性は、ことの発端から語りたがる。男性は、最初にゴール(話の目的や結末)を知りたがる。対話エンジンの有り方が真逆なのです」という、黒川伊保子さん。

女性の脳は、時系列にのっとって、ていねいに言葉を紡いでいくことで、ゴールや真実を見つけ出すという処理をするのですが、その際、大事なのが周囲の「共感」。

“へぇ~そうなんだ”とか“そのときあなたはこんな風に感じたのね”なんて具合に、うまく感情に寄り添って合いの手を入れてもらうことで、五感を通じて脳にインプットした記憶が解凍され、事細かに再現されていく。こうして記憶を子細に語っていくうちに、人間関係のひずみや自分の失言など、そこに潜む真実に気づいていく――。

だから、もし話の途中で“君にも悪いところがあったんじゃないの?”なんて、ゴールを急ぐような、プロセスをはしょるようなツッコミを、夫が入れてしまったら……。

「女性脳の“真実”を探る演算は、とたんに無に帰してしまいます。そしてこの演算は、同じ質で同じように再開させるのは、ほぼ不可能なのです。このため妻の不快感は絶頂に達してしまい、夫婦喧嘩になったり、夫に一方的に失望してしまったりします。この積み重ねが、やがて夫への愛情を失うことにもつながっていくんです」(黒川さん)

そうそう、そうなんです…。一度、夫に心くじかれると、ナナメになったご機嫌は、なかなか元に戻せない。なんだかとても思い当たります。

2つめのカギ女性が「引きずる」のは、
子どもを安全に産み育てるため

女性の脳は、「怖い」「ひどい」「つらい」などのストレスを伴う感情が起こるとき、そのストレス信号が男性脳の何十倍も強く働き、何百倍も長く残るようにできている、という黒川さん。

「これは、危険な事態を細大もらさずに記憶して、二度と同じ事態に自分を追い込まないようにする防衛手段です。

哺乳類のメスは、赤ちゃんを胎内で成長させ、生み出した後も長い期間授乳を必要とします。つまり、自分の子と自分の身を守ることが、生きる上での第一条件なのです。だから、自分の安全を脅かす事態に伴う感情が起こったとき、脳が強く反応してしっかりとインプットし、同じ感情が起こったときにはいつでも鮮明に思い出して、同じことを繰り返さないようにできているんです」

「怖い」「ひどい」「つらい」などのストレス信号を、男性よりも長~く(つまり、しつこく!?)引きずってしまう女性。そして、一つの地雷ワードをきっかけに、芋づる式に過去の怒りまで引きずり出してしまうのは、生き物としてもともと備わっている「防衛反応」でもあったのです。

そして、このストレス信号をリセットしてくれるのが「共感」。女性の脳は、周囲に気持ちを訴えて共感してもらうことで、はじめて安全圏にいると感じ、自分の感情を客観視することができるようになる――。

一方、男性の脳は、もともと客観視が得意。長らく狩りをしてきた哺乳類のオスは、目の前のつらさや怖さにいつまでも捉われているヒマはありません。日ごろから全体を俯瞰して、ものの位置と距離感を正確に把握しておかねばならない性のため、「近くのもの」や「大切なもの」に対して、終始心を寄せているわけにはいかない――。

「だから男性は、たとえ妻であろうとも、えこひいきができないんです。“妻が大切”と思う気持ちと“妻の言動にも問題がある”という判断を矛盾なく処理できるのが、男性の脳なんですよ」

なるほど! えこひいきができない男性脳。えこひいきしてほしい女性脳。男女の脳はそういうふうに違ってできている。まず、そう思わないといけない。夫にないものねだりをしていたような気がしてきました。

3つめのカギ察するのが下手なのは、
男性脳が「連携下手」だから

いまこうしてほしいんだろうな。
先回りして、やっておいてあげようかな。

女性は察する天才! だからこそ、自分の心を察してくれない男性にいらだちを感じたり、自分ばかりがなぜ!?と不公平感を感じてしまうのです。

「察するという能力自体が、女性の脳の特性なんです。もの言わぬ赤ちゃんを育て上げるため、女性は五感をフルに使って、“目の前の近くのもの”をなめるように見つめ、あらゆる信号を無意識下でキャッチして危険を回避します。

なぜこんなことができるかというと、女性の脳は男性の脳よりも、右脳(感じる領域)と、左脳(顕在意識の領域)の連携がいいからなんです」

女性の脳は、感じたことがどんどん顕在意識に上がってきます。例えば、子どもが熱を出すとき、母親は子どもに異変が現れる前に、なんとなく予感がしています。いつもと同じように寝付いたけれど、なぜか明け方に胸騒ぎがして目を覚ますと、子どもが高熱を出していた、なんてこともザラ。しかも、なぜかいつもなら空になっている製氷機のタンクにたまたま水を入れた直後だったとか、ふと思いついて解熱剤を買った直後だったとか…。

この右脳と左脳の連携の良さは、「母の感」「女の直感」なんて言葉でも表現されます。感じた情報をあちこちに記憶し、無意識のうちに取り出して行動に移してしまう。女性は、論理的に説明できない複雑系の演算、つまり、察することの天才なのです。

左右の連携(横の信号)を頻繁に使う女性に対し、男性は脳の前部から後部にかけて(縦の信号)、脳を個別の領域で活性化させて使う傾向にあります。

「感じる領域のできごと(右脳)を、潜在意識(左脳)につなげる頻度が低いので、察する能力や臨機応変力が女性より低くなります。同様に、感情(右脳)を言葉(左脳)にするのも苦手です。良いか悪いかは語れても、自分が悲しかったのか嬉しかったのかをなかなか言葉にできないのが男性脳の特徴なんですよ」

ついムカッときて、「どうしてなの?」「なんでなの?」と問い詰めると、すぐに黙ってしまう夫。その黙り込んだことにまた腹を立てていましたが、それは、言葉にできないからだったのですね。脳の特徴を無視して、問い詰めてもしかたなかったんですね…。

4つめのカギ男性は家庭のタスクを認知するのに、
ストレス3倍!

左右・横方向の信号が少ない男性の脳。逆に縦方向の信号が多いため、空間の認知力や身体をコントロールする能力は、男性の方が女性よりも高いのです。

「だから男性は総じて、ものごとを俯瞰して広く見る傾向があり、ものの位置関係や構造を理解して、道具を使ったり身をかわしたり捕まえたりすることが得意です。

しかし、世界や宇宙を有効射程に入れている男性脳は、半径3メートル以内の空間にあまり意識を払いません。だから、自分の身の回りに関しては変化が少ないほうが好ましいのです。料理の定番、床屋の定番、服装や小物の定番を決めて簡単に変えないのが男性脳の特性といえます」

しかし、家庭、特に育児で起こることは、ほとんどが半径3メートル以内のこと。男性の脳にとっては認知しにくい空間といえます。

その家庭の中で、とりとめのないタスク(課された仕事、課題)が無限に、多重に重なり合っていくのが「家事」「育児」です。つぎつぎに変化し、多重に連続するタスクを認知することは、男性の脳にとって最も難しい処理のひとつ。

調査によると、家事・育児に関しては、男性は女性が無意識のうちに認知しているタスクの3分の1ほどしか認知していないとか。これはつまり、男性脳が女性脳と同じだけのタスクを回そうとすると、3倍のストレスにさらされるということです。

「スーパーにいる女性たちの脳が、いまその場で何をどう処理しているか――。男性はそこのところをよく掘り下げて、妻をもっとリスペクトするといいのですが…(笑)。

赤ちゃんがご機嫌な隙をぬって外に出かけ、献立を立案しながら不足分の食材をすばやく補充し、持ち帰れるギリギリの重さまで買い物をする。その間に、肌にやさしいトイレットペーパーと目が合ったり、パパの風邪薬と目が合ったり…。人工知能がどんなに進化しても、母となる女性の脳にはかなわないのです」

母親の脳というのは、ものすごい能力を持っていたんですね。その女性脳と男性脳を同じ次元で比べるのは、酷な気がしてきました。自分ではやってるつもりのイクメン、家事ダンが多いな…と思っていたけれど、男性の脳力からいえば、それでもけっこうがんばっている、ってことも、認めてあげないといけないですね。

5つめのカギ男と女の脳の働きはまったく別モノ。
「わかりあえない」を出発点に

「産後クライシス(危機)」という言葉、最近よく話題になります。

小さな赤ちゃんがいるおうちは幸せそのもの!というイメージがありますが、実は、産後2年間が最も離婚率が高く、シングルマザーの半数以上は、子どもが5歳になるまでに離婚しています(2010年の厚生労働省調べ)。

なんといっても育児は、生涯で最大ともいえるライフイベント。夫婦がぶつかり合う機会も増え、お互いを分かり合えないことで、愛情が急速に冷え込んでしまうことも少なくありません。特に女性側は顕著で、妊娠中は7割の女性が『配偶者を本当に愛していると実感する』と答えていたのに対し、産後2年で約3割にまで減ったというデータもあります。

しかし、もっとお互いの脳の特質を理解し合ったら、この産後のクライシス、危機的な局面を回避できるかもしれません。

共感してほしい女性に対して、問題を解決したい男性。
感情を引きずる女性に対して、客観性が勝る男性。
察してほしい女性に対して、察する能力を持たない男性。
臨機応変が得意な女性に対して、変化するタスクを認知できない男性。

「わかってくれない」のではなく、どこまでいっても「わかりあえない」のが男と女。であれば、「なぜわかってくれないの?」というネガティブなループからは、早めに解放されるのが幸せに暮らす近道、かもしれません。

育児を押し付けあうのではなく、
「楽しいから一緒にやろう♪」へ

「昨今のイクメンも家事ダンもいいのですが、夫婦がお互いに育児をネガティブなタスクだと思っていると、“どっちが大変か”合戦になってしまったり、仕事の押し付け合いに終始してしまうと思うんです。

うちはもう子どもが成人してしまいましたが、夫と私、どちらが保育園の遠足に行くかでじゃんけんをしていました。押し付け合うじゃんけんじゃなくて、行きたいから取り合うじゃんけん(笑)。それは、そういう風になるように、私からあえて意識的に夫に仕掛けたところがあります。

育児って楽しいよね~、赤ちゃんってかわいいよね~、おむつ替えられるなんて今のうちだけだよね~って。こんなに大変なのわかって!ではなく、楽しくて楽しくてしょうがないから一緒にやろうよ!という感じに持っていきました。だって、夫だって、関わったら絶対楽しいですから。育児も家事もね」

押し付け合うのではなく、楽しみ合いましょう、と黒川さん。

男性と女性の脳の働きをもっともっと理解すれば、夫はきっと、楽しい育児の日々をシェアする、頼もしいパートナーになってくれるはず!

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