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ママに知っていてほしい「乳がん」のこと

2017.09.27

乳がんは決して人ごとではありません。乳がんにかかる人は年々増加傾向にあり、日本人女性が生涯で乳がんにかかる確率は11人に1人。一方で、乳がんで亡くなる人は70人に1人。つまり、早期発見できれば治療で治すことができるのです。けれど、ママになると、忙しさや授乳中などで、つい検診を怠ってしまいがち。ママの体はママだけのものではありませんね。赤ちゃんのためにもママが健康でいるために、乳がんについて正しく知っておきましょう。

取材協力:ユニ・チャームunicharm

取材協力・監修

医学博士 井上裕子先生

井上レディースクリニック 院長/リボーンレディースクリニック 理事長/日本産婦人科専門医/NPO法人マザーシップ 代表

女性の一生涯をサポートする婦人科診療、乳がん・子宮がん検診などにも力を注ぎ、『産婦人科の診療室から』(小学館)、『赤ちゃんとお母さんのための妊娠中のごはん』(池田書店)、『やさしくわかる 月数別 はじめての妊娠・出産』(西東社)など、著書、監修本も多数。

ママ世代がかかりやすいのが乳がんの特徴

30代から増え始める乳がん

日本人は男女とも、生涯で2人にひとりはがんにかかると言われています。通常、胃がんや肺がんなどは、年齢を重ねるごとにかかる率が上がっていきますが、乳がんは異なる特徴があります。それは、下のグラフのように、30代から増え始め、40歳代後半から50歳代前半がピーク。2015年の日本の女性の第1子出産時年齢は30.7歳(平成29年版 内閣府「少子化社会対策白書」より)。つまり、子育て真っ最中の時期に、乳がんにかかる確率が増えていくということです。

国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より

早期発見・早期治療できれば治せる。けれど…

冒頭でも述べたように、乳がんは早期に発見できれば90%が治療で治せると言われています。それでも、毎年1万人以上の人が乳がんで命を落としています。いったいどうしてなのでしょう?医学博士で産婦人科と、婦人科検診専門のクリニックを経営している、井上裕子先生に詳しくうかがいました。

乳がん検診の受診率が圧倒的に低い日本

井上先生:「日本人の女性は乳がん検診の受診率が圧倒的に低いのです。欧米では70~80%の人が受診していることに対し、日本人はわずか30~40%程度。特に30代の女性は『検診弱者』と言われるほどです。社会の制度にも問題があって、会社などに勤めていれば勤務先で健康診断がありますが、出産や子育てで仕事から離れているとこうした機会がなくなってしまうからです。専業主婦でもご主人の会社で『配偶者健診』を行っているところもありますが、一部にすぎません。また、自治体で健診を行っているところもありますが、一定の年齢以上でないと受診できなかったり、乳がん検診は40歳以上としているところがほとんどです。乳がん検診は30歳以上の人には受けて欲しいのですが、そうなると、自費で人間ドックに行かねばならず、会社や自治体の健診に比べると費用がかかってしまうことがネックになっているようです」

費用が検診の歯止めになってしまうのは残念なこと。健康はお金に代えられないものなので、自分の身を守るためにも定期的に受診したいですね。

では、乳がん検診とはどんなことで、費用はどれくらいかかるのでしょう?

乳がん検診について正しく知ろう

乳がん検診には3種類あります

乳がん検診には大きく分けて3種類あります。

触診 お医者さんが手で触れることで、乳房にしこりがないかを調べる方法です。
マンモグラフィ 乳房X線撮影装置のことで、専用の台の上で乳房を挟んで、X線(レントゲン)撮影する方法です。
超音波診断装置 ママにはおなじみの超音波診断装置(エコー)で乳房の画像を診る方法です。

国では40歳以上の人は2年に1回、マンモグラフィによる検診の受診を指定しています。2016年から触診は推奨していませんが、実施する場合はマンモグラフィと併用します。

乳がん検診に種類があるのはなぜ?

マンモグラフィと超音波検査があるのはなぜなのでしょう?井上先生にうかがいました。

どちらか一方では見つからないがんもある

井上先生:「マンモグラフィは、石灰化を伴うタイプのがんの発見にはとても有効です。しかし、乳がんには様々なタイプがあり、はっきりとしたシコリがあっても15%~20%はマンモグラフィには写りません。特に若い人(閉経前)は乳腺が発達して密度が濃くなるため、全体が白く写ってしまい、若年者では約25%(4人に1人)のがんが見逃されているというデータが出ています。みなさんも最近『高濃度乳房(乳腺)』という言葉を耳にするようになったと思いますが、日本人に多いと言われています。そのため、マンモグラフィと超音波検査の両方を受けるのが本来は安心で、うちのクリニックでは併用の検査をおすすめしています」

乳がん検診の受診方法

検診を受けるには、加入している健康保険などによっていろいろなパターンがあります。

ママ自身がお勤めしている場合

会社の社会保険に入っている人は会社の健康診断で受けられます。年齢制限や費用の有無はそれぞれなので、会社の健康保険組合などに相談してみましょう。

パパの社会保険の扶養になっている場合

パパの会社の健康診断で受けられることがありますので、パパに問い合わせてもらってみましょう。

国民健康保険に加入している人

40歳以上であれば、2年に1回、自治体が行う乳がん検診に申込みが可能です。役所の保健課などに問い合わせてみましょう。

上記以外の場合

マンモグラフィや超音波診断装置の設備のある病院で受診することができます(有料)。婦人科や総合病院に問い合わせてみましょう。

自費で受診する場合の受診料は?

会社や自治体で乳がん検診を受診する場合は、健康保険組合や自治体が費用を負担してくれたり、少ない自己負担で受診できるケースが多いようです。けれど、40歳未満の場合はすべて自己負担のケースもあります。乳がん検診を自分で受ける場合はどれくらい費用がかかるのでしょう?

検査の種類によって5,000円~1万5,000円

井上先生:「受診機関によっても異なりますが、平均して、マンモグラフィか超音波検査のどちらか一方の検査であれば、5,000円~8,000円程度、両方を受診する場合は1万2,000円~1万5,000円程度です。これを高いと考えるかは人それぞれですが、もしも乳がんと診断されて進行してしまっていれば、その後にかかる治療費はもっと膨大です。命を守るための費用と考えてほしいですね」

女性と乳がんが身近な関係にあることをパパにも知ってもらって、検診を受けることに協力してもらいましょう。

自分でできる乳がんのセルフチェックとは?

乳がんは日々セルフチェックすることも早期発見につながります。パパがママのしこりを発見するというケースも少なくないそう。 自分の体ですから、自分がまず知っておくことが欠かせませんね。

乳がんのセルフチェックについて詳しくはこちら

ママが気になる乳がん検診のあれこれ

妊娠中、授乳中でも検査はできる?

妊娠中や授乳中は乳腺が発達して、赤ちゃんのためにバストを守りたい時期。だからこそ、乳がん検査は必要なのですが、なぜか気持ち的に躊躇してしまいがち。けれど井上先生は、妊娠中でも授乳中でも受診して欲しいとおっしゃいます。

妊娠中、授乳中はまず超音波検査と触診で検査を。マンモグラフィを受けても大丈夫

井上先生:「私のクリニックでは、妊娠して定期健診に通ってくださる妊婦さん全員に、妊娠初期の段階で乳がん検診を受けてもらっています。2人目、3人目の妊娠となれば、30代後半や40代の妊婦さんも多く、その検診で乳がんが見つかる方が少なくないからです。

前述の通り、乳腺が発達している時期は、マンモグラフィでは乳がんが見つけにくいこともあるため、妊婦さんや授乳中の方は超音波検査と触診で検査をしています。その検査だけでは判断がつかない場合は、マンモグラフィを受けていただくこともあります。マンモグラフィは放射線被ばくがあるため、妊娠中や授乳中はNGと思っている方もいらっしゃいますが、1回の撮影で乳房が受ける放射線の量は、一般の人が1年間に受ける自然放射線量の50分の1程度、飛行機に乗って受ける放射線量より少ないのです。

超音波検査、マンモグラフィとも疑わしい結果が出てもそこで乳がんと診断されるわけではなく、その後にしこりに針を刺して細胞の組織を調べた上で診断を確定します」

2年に1回の検診で大丈夫?

国が定めているのは40歳以上の女性に対して、2年に1回の乳がん検診ですが、そのスパンで大丈夫なのでしょうか?

がん家系など遺伝が気になる場合は毎年が安心

井上先生:「基本的には最低でも2年に1回は受診してほしいですが、国が指定している40歳以上でなくても、30歳を過ぎたら受診することをおすすめします。乳がんは遺伝による場合も多いため、心配な方は毎年受診した方が安心です。

乳がん検診はマンモグラフィや超音波検査の結果を、5つのカテゴリーで分類します(がんの進行ステージとは異なります)。1は異常なし、2は良性、3は良性だけれど悪性も否定できない、4は悪性が疑われるもの、5は悪性です。2から4はグレーというだけで乳がんと診断されたわけではなく、実際には多くの場合は大丈夫です。4以上の場合はすぐに精密検査(細胞診)をしますが、初診で2、3の場合は、半年ごとの乳がん検診をおすすめしています」

授乳期間後に、自分が高濃度乳房かどうかはわかるの?

前述のように、マンモグラフィでは乳がんを見逃しやすいといわれている高濃度乳房(乳腺)。現状では会社や自治体での乳がん検診のほとんどがマンモグラフィなので、妊娠中や授乳中でない平常時の自分が高濃度乳房かどうか気になりますね。それはどうしたら知ることができるのでしょう?

マンモグラフィを受診すればわかるので、聞いてみましょう

井上先生:「高濃度乳房かどうかはマンモグラフィを受診すればわかります。今はマンモグラフィの結果を伝える際に教えてくれる検査機関も増えてきているようなので、気になる場合は聞いてみましょう。アメリカでは州によっては高濃度乳房であることを本人に告知することを義務づけられているそうです。自分で知ることができれば、超音波検査を受ける選択ができますね。ただ日本では、超音波検査による乳がん検診を行っている医療機関が少ない実態があります。早くそうした機関が増えることを願っています」

少し怖い話をしましたが、井上先生は「今はがんとともに生きる時代」とおっしゃいます。何より大事なのは、乳がんに対する正しい知識を持つことと、人ごとではないとを認識することです。1人で検診を受けるのが不安だったら、ママ友と一緒に検診に行くのも手。ママたちの間に乳がんに対する認識が広がっていくことが大切なのです。万一検診でがんが見つかっても、早期であれば治療で治せますし、ママ仲間がいれば、入院という事態になったときに助け合うこともできます。何よりも、自分が「がんにかかっていない」ことを知るためにも、定期的な受診を心がけたいですね。

乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の
大切さを伝える、ユニ・チャームのピンクリボン活動はこちら

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