ベビータウン

お金・保険

専門家/メーカー

配偶者控除「103万円の壁」が「150万円の壁」に!?

2017.03.01

子育てから手が離れたら「また働きたい!」と思っているママも少なくないと思います。「子どもがいるからフルタイムは無理でもパートなら」と考えている人は「103万円の壁」という言葉を聞いたことがあるのでは? それが「150万円の壁」に変わるって知っていましたか?そうなったらママの働き方はどうすればいい?気になる配偶者控除について、保険のプロに詳しく教えてもらいました!

  • このページは、2017年1月現在の情報に基づき作成しています。
    税制、社会保障制度、データ等は作成当時のもので、現在とは異なる場合がございます。

取材協力:ソニー生命保険(株)Sony Life

答えてくれる人

後(うしろ)信也さん

ソニー生命保険株式会社
新宿ライフプランナーセンター第11支社

前職はIT企業のエンジニア。ファイナンシャルプランナーの資格はもちろん、MDRTの会員でもある頼れるライフプランナーです。ご自身も3児のパパです。

  • Million Dollar Round Table(MDRT)とは全世界の生命保険営業職のトップクラスのメンバーで毎年構成され、本部は米国。そのメンバーは、相互研鑽と社会貢献を活動の柱とし、顧客のために商品(プラン)・知識・情報などを提供しています。

配偶者控除について、以下で詳しく伺いました。

そもそも「103万円」や
「150万円」とは
何の金額?

パートで働くときによく聞く103万円の壁とは何のことですか?

後さん

夫婦がフルタイムで共働きの場合は、それぞれの収入に所得税などがかかります。一方、奥さまの所得が一定額以下等の条件をみたす場合、旦那さまの所得税などを計算する際に、「配偶者控除」という控除を受けられます。これは、旦那さまの収入から一定の金額を差し引いた額を課税所得額としてみなす制度です。つまり、控除がない場合よりも控除される方が、納める税金が少なく済むわけです。
配偶者控除は、奥さまが働いていても、「奥さまの収入が103万円以下なら、旦那さまが38万円の配偶者控除を受けられる」とされています(103万円を超えても一定の条件を満たしていれば141万円未満までは段階的に「配偶者特別控除」を受けられることもあります)。逆にいえば、奥さまの収入が103万円(または141万円)を超えると、旦那さまは控除を受けられなくなります。奥さまの収入が103万円を微妙に超えると、旦那さまの控除が受けられなくなる分、かえって世帯年収が下がってしまう場合もあるので、それだったら103万円以下で働いて、旦那さまの控除を受けた方がいいという考え方があります。
それを、俗に「103万円の壁」と言い、パートで働く主婦の方々が、旦那さまの配偶者控除の範囲に自分の年収を抑えようとすることをそう呼ぶようです。

その配偶者控除を受けられる妻の年収の範囲が103万円以下から150万円以下に変わるということですか?

後さん

そうです。2016年末の税制改正大綱で示されたことで、2018年1月から配偶者控除を受けられる奥さまの収入の上限が150万円以下(配偶者特別控除は201万円以下)に引き上げられるとされています。これは、国が経済を成長させて女性の社会進出を促す目的で改正しようとしているもので、「奥さまが今までよりももっと働いても、旦那さまの税金は今まで通り控除しますよ」ということです。
例えば、今までは103万円以下に年収をおさえようとして、「時給1,000円のパートを、1日4時間、月20日間で年収96万円」で働いていた人は、「1日6時間まで働いて年収144万円」になっても、配偶者控除を受けられるということです。なお、配偶者控除及び配偶者特別控除ともに、旦那さま本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は適用対象外となることに注意して下さい。

社会保険には
「130万円の壁」
「106万円の壁」!?

今までよりも長く働いても控除が受けられるなら、収入を増やしやすくなりますね!

後さん

ところがもうひとつ気をつけなければならないのが、社会保険の扶養のことです。旦那さまが健康保険や厚生年金保険の被保険者で、奥さまが旦那さまの扶養となっている場合は、奥さま自身は保険料を納める必要がありません。
この社会保険の扶養の範囲は配偶者控除を受けられる奥さまの収入の上限とは異なり、奥さまの年収が130万円以上になると、パートであっても奥さま自身が社会保険に加入して保険料を納める義務が生じるのです。これは「130万円の壁」と呼ばれています。
今までは、所得税の配偶者控除を受けられる奥さまの収入の上限が103万円だったので、奥さまの年収を103万円までに抑えれば130万円の壁は気にせずに済んだのですが、所得税の配偶者控除を受けられる奥さまの収入の上限が150万円に引き上げられたからといって、年収130万円以上で働くと、奥さま自身が上記の保険料を納めることになるのです。

配偶者控除を受けるための条件と社会保険の保険料の負担がない人の範囲が違うのですね。では年収130万円までに抑えれば、今後も配偶者控除を受けられて、かつ、社会保険料の負担もないということですね?

後さん

それが実は単純には言えないのです。2016年10月から、社会保険の制度が変わり、従業員が501人以上いる企業にお勤めで「週に20時間以上勤務して、月額で88,000円以上の収入があり、1年以上雇用されている」パートさんが、年収106万円を超えた場合、本人が社会保険に加入しなければならないことになったのです。勤務先が大手のスーパーなどの場合、これに該当する可能性があり、また、対象企業は今後、中小企業にも範囲が増えることが予想されています。(2017年4月からは、労使で合意された場合、従業員500人以下の会社でも加入対象が広がります。)
つまり、奥さまの働き方と勤務先の規模によっては、社会保険の壁は130万円ではなく、106万円ということになります。

せっかく所得税の配偶者控除を受けられる奥さまの収入の上限が150万円までに引き上げられるのに、社会保険の方は扶養の範囲がかえって狭くなっているのですね。むずかしいですね…。

後さん

奥さまの年収によって、奥さま自身に所得税や住民税がかかる金額の節目などもあるので、実際にはもっと複雑です。簡単にまとめると以下の図のようになります。

2017年12月末まで(予定)

2018年1月から(予定)

控除や保険のこと以上に、
家計を考えるうえで
大事なことがある

結局、年収106万円までに抑えて働いた方がいいということになるのでしょうか?

後さん

それは一概にはいえません。奥さまの年収が上がることで、旦那さまの配偶者控除の額が減ったりなくなったとしても、結果的に世帯年収全体が増えていれば問題はないわけです。また、健康保険の保険料は年度や自治体によって異なるので、みなさんご自身のケースで計算してみないとわかりません。奥さまが厚生年金などに加入することになれば、将来その分、奥さまが受け取れる年金額が増えることにもなります。

長い目で個別に考えないと、損得は一概にはわからないということですね。税金や保険など、収入から引かれるものが複雑だと、自分では計算できそうもありません…。

後さん

そのようなときのために私たちライフプランナーがいるのです。ご夫妻の年収によって配偶者控除や社会保険がどうなるか、パソコンを使って家計診断をさせていただけます。 家計を考えるうえで大事なのは、控除や社会保険のことだけでなく、「奥さまが何のために働くか」「奥さまの年収を増やすために、働く時間が長くなっても大丈夫か」ということです。金額のことだけ考えるのではなく、「ご家族での生活をどうしていきたいか」で、働き方を考えることが大切なのではないでしょうか?

そうですね。子育てしながら働くには、まず子どもを保育園に入れられるかも考えなくてはならないですしね。パパの協力も今まで以上に必要になりそうです。

後さん

そうしたご家族全体の事情や想いを踏まえた上で、奥さまがどのくらい収入を得る働き方がいいのか考えた方がいいですね。私たちライフプランナーは、ご家族の想いを受けとめた上で、奥さまの働き方のご提案させていただくことができます。ぜひご相談ください!

将来の予測がつきにくい今の時代。この先子どもにかかるお金や、自分たちの老後のために、ママの収入が家計を左右することもありそうです。後さんのおっしゃる「家計を考えるうえで大事なこと」について、さらに詳しく次号でお伝えします。

SL20-7271-0044

あわせて読みたい記事

関連するキーワード

記事をシェアしよう!

ベビータウンとは?

  • ポイントを集めて、素敵な景品と交換できる♪
  • お子様の月齢にあわせたアドバイスをメール配信!
  • 育児アンケートに答えてポイントやプレゼントがもらえる!

ムーニーポイントをためて素敵な景品をGETしようムーニーポイントをためて素敵な景品をGETしよう

配偶者控除「103万円の壁」が「150万円の壁」に?そうなったらママの働き方はどうすればいい?気になる配偶者控除について、保険のプロに詳しく教えてもらいました!出産・育児のサポートサイト「ベビータウン」