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教育費は家計のブラックホール、イマドキのお稽古事事情

2018.09.26

「教育費は家計のブラックホール」といわれ、子供かわいさや期待感からとめどなくお金をかけてしまいがちです。特に子どもが小さいうちは、まだ本格的に教育費がかかっていないため、あれもこれもとお稽古事をさせてしまいがちですが、子どもが小さいうちが貯め時です。お稽古事費用で家計が圧迫されないように上手に選び、バランスよく家計を管理していきましょう。

執筆者プロフィール

高山一惠(株式会社Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー)

(株)Money&You取締役。慶應義塾大学卒業。2005年に(株)エフピーウーマンの創業に携わり10年間取締役を務めた後、現職へ。主に女性向けに、全国で講演、執筆・監修、書籍、マネー相談を行っている。著書は「マンガでわかるiDeCoのはじめ方 ライバルはイデ子!?」(きんざい)、「35歳までにはぜったい知っておきたいお金のきほん」(アスペクト)など多数。ファイナンシャルプランナー(CFP)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
株式会社Money&You

かけようと思えばいくらでもかけられるお稽古事のお金

わが子は誰でもかわいいもの。将来の可能性の芽を少しでも伸ばしてあげようと、子どもをお稽古事(習い事)に通わせる親は昔も今も変わりなくいます。

私自身も6歳の息子がいるのですが、先日、プログラミング教室から「お子さんにプログラミングを習わせませんか?」と勧誘をうけました。すでに2つのお稽古事をしているのですが、そういわれると「これからの時代は、プログラミングは必要だし、頭がよくなるかしら……」などと思ってしまいます。それに「うちの子は、算数得意だし、IT系とかも得意かも!」と親バカなのもどんどんお稽古事を増やしてしまう原因かもしれません(笑)。

ただし、お金の面から考えると、「教育費は家計のブラックホール」!よかれと思ってなんでもかんでも手を出すと、まさに湯水のごとくお金が流れ出てしまいます。

そこで、今回は、定番の人気お稽古事から注目を浴びつつあるイマドキのお稽古事まで、その内容や費用などをまとめてみました。また、お稽古事をさせる上で押さえておきたいポイントを紹介します。

人気のお稽古事をチェック!(スポーツ活動編)

それでは、人気のお稽古事をチェックしてみましょう。
ベネッセ教育総合研究所が公表した「学校外教育活動に関する調査2017」では、調査時の過去1年間で子どもたちが定期的にしていたお稽古事を、「スポーツ活動」と「芸術活動」に分けて紹介しています。

まず、スポーツ活動の集計結果です。

注1 複数回答。表では全体の上位10位までを示した。
注2 丸付き数字は順位を示す。表中で同率のものは、小数第二位以下により順位をつけている。
ベネッセ教育総合研究所「学校外教育活動に関する調査2017」より作成

以下、表の特徴を読み解きながら、主だったお稽古事の概要を紹介します。

お稽古事の定番!スイミング

スポーツ活動でもっとも人気なのは今も昔も変わらず、スイミングです。全体の約20%、小学生に限れば約3人に1人がスイミングに通っていることになります。

水の中で全身を使って運動をすることで、心肺機能が鍛えられ、病気をしにくくなるといわれています。昔からお稽古事の定番ですが、最近では東京大学に入学した学生のほとんどがスイミングに通っていたとのニュースが報道され、「脳の働きを活性化させる効果もある!」と話題になっています。
私は、東京大学がある本郷三丁目付近に住んでいますが、そのニュースの影響からか近くのスイミングスクールはどこも満杯。東大生のほとんどがスイミングスクールに通っていたとなれば親としては通わせたくなるのもわかりますね。

多くのスイミングスクールでは、週1~2回程度のレッスンを行っています。水に慣れるところから始まり、クロール・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライの4泳法まで指導内容が細かな級に分かれています。それを順にマスターしていくことで、正しい泳ぎ方が身につく、というわけです。テストに合格し、級が上がる達成感もあります。

費用の相場は通う回数やバスなどの送迎の有無にもよりますが、おおよそ月5,000円~1万円程度。そのほかに水着やゴーグルなどの費用がかかります。

将来の侍・なでしこ? サッカー/フットサル

スイミングに次いで人気なのが、サッカー/フットサルです。男子に絶大な人気があります。

2018年6月から7月にかけて行われたFIFAワールドカップロシア大会。日本代表は僅差でグループリーグを突破しましたね。名だたる選手たちのスーパープレーにくぎ付けになった方も多いと思います。

スポーツとしての楽しさはもちろん、そうした選手へのあこがれもあって、サッカーやフットサルを始める子どもが多いようです。体力がついた、足が速くなった、チームプレーや集団行動の大切さを学べたという声を多く耳にします。

サッカーを習える場所はたくさんあるのですが、大きく分けると「地域のサッカーチーム」と「プロのサッカースクール」の2つがあるようです。

地域のサッカーチームは、お住まいの地域の子どもたちで結成したチーム。学校の校庭や大きな公園などを使い、サッカーに詳しい保護者などが監督・指導を行っています。
プロのサッカースクールは、主に企業などが運営するスクールです。Jリーグのチームの下部組織となっている場合もあります。整備された専用のグラウンドを使い、プロのコーチや現役を退いたJリーガーなどが監督・指導を行っています。

月謝などの費用は、地域のサッカーチームよりもプロのサッカースクールのほうが高め。プロのサッカースクールの場合、週1回のレッスンで月5,000円~8,000円程度です。さらに、ユニフォームなどの用具代で1万円強かかるほか、場合によっては遠征や大会参加などで臨時の出費もあります。

基礎体力が身につく! 体操教室・運動遊び

3位にランクインした体操教室・運動遊びは、特に幼児に人気です。幼児期は体がぐんぐん成長する時期。適度な運動を取り入れることで、基礎体力が上がるのはもちろん、社会性も身につくとされています。

年齢によっても違いますが、主に行われるのはマットにトランポリン、跳び箱や鉄棒といった器械体操です。縄跳びやプールを取り入れる体操教室もあります。運動によって使う体の部分が違うというのが大切なようで、さまざまな運動をすることでトータルに成長していきます。

また、最近ではバック転ができるようになるバック転教室や、運動会の徒競走で1番になるための走り方教室などを開講する体操教室もあります。

費用は通う回数によって異なりますが、3,000円から1万円程度のようです。また、夏合宿や冬のスキー教室など、季節別のイベントの費用がかかる場合もあります。

【その他、表よりわかる傾向】

  • 女子にはダンスが人気。チアダンス、フラダンス、ヒップホップやジャズダンスまでジャンルは幅広い。
  • 中学生や高校生には硬式テニス/ソフトテニスがもっとも人気。とはいえ、体操教室・運動遊びを除くほかのお稽古事の割合もそれなりにある。好みややりたいことが細分化されている様子が見てとれる。

人気のお稽古事をチェック!(芸術活動編)

続いてもう1つ、芸術活動の集計結果を以下に示します。

注1 複数回答。表では全体の上位10位までを示した。
注2 丸付き数字は順位を示す。表中で同率のものは、小数第二位以下により順位をつけている。
ベネッセ教育総合研究所「学校外教育活動に関する調査2017」より作成

スポーツ活動と同じように読み解いてみましょう。

いつの時代も大人気! 楽器の練習・レッスン

男女を問わず、そして学校段階別を問わずもっとも人気なのは楽器の練習・レッスンです。特に女子には人気で、男子の実に2.5倍にのぼります。さらに3位の「音遊び/リズム遊び(音楽教室)」、4位の「合唱/コーラス」、10位の「声楽/ボイストレーニング」も、広い意味では音楽ですから、音楽活動は全般的に人気といえるかもしれません。

やっぱり、上手に演奏できたらかっこいいですよね!とはいえ、家では音が大きくてなかなか練習できません。また、教則本など、独学で勉強するよりも、プロの指導を仰いだほうがレベルアップも早いでしょう。そのため、音楽教室のニーズは変わらずあるようです。

ひとことで楽器といっても、さまざまなものがありますし、年齢によってもできる楽器は変わってきます。未就学児など、まだ小さい場合はピアノ・バイオリン・ドラムなどが中心です。小学校中学年くらいになると、それらに加えてトランペットやトロンボーンといった金管楽器、フルートやサックスといった木管楽器、さらにはギターなどに取り組む子が多くなってくるでしょう。学校の吹奏楽クラブ(吹奏楽部)やジャズバンドなどに所属しながら、個人的にレッスンを受ける子が多いようです。

そして、どの楽器を習うかによって費用は大きく変わってきます。ピアノやドラムなど、一部の楽器は音楽教室に用意されていますが、管楽器や弦楽器などは自分で用意する必要があるからです(レンタルできる場合もあります)。

楽器代はピンキリで、数万円~数十万円するものまであります。それに加え、月謝が8,000円~2万円程度、年間の教材費が数千円程度かかるというのが一般的なようです。

音楽と体育を一緒に! リトミック

芸術活動のランキングの中で幼児に人気なのが、幼児教育の一環として支持されているリトミックです。

リトミックは、音楽に合わせて手やタンバリンをたたいたり、音楽を聴いて感じたことを体で自由に表現したりする教育法です。音楽と体育を一緒に楽しむ、というイメージです。子どもの感性を磨くのと同時に、リズム感や基礎的な運動能力まで身につくとされています。

中には、親子で参加するリトミックもあります。子どもはかわいいと思いつつも、毎日育児をしているとどうしても楽しいことだけではありません。親子で参加することで、子どもと一緒に体を動かしたり歌ったりできるので、親子の良いコミュニケーションになります。また、子どもの知らない一面を見つけることもできるかもしれません。

リトミックは、地域の育児サークルや音楽教室などでよく開催されています。月の費用は子どもの年齢にもよりますが、1,000円~5,000円程度が相場のようです。

割合は少ないが変わらず人気 絵画/造形

このランキングでは音楽関連が強かったのですが、そのなかで一定の人気を獲得しているのが2位の絵画/造形です。全体の割合こそ3.1%ですが、年齢を問わず需要があるようです。

もちろん、絵画も工作も、家でしようと思えばできるでしょう。しかし、子どもが家で作った作品を認めてあげることは、意外と難しいのではないかと思います。つい「もっとここをこうしたほうがいい」などと言ってしまうこと、ありませんか? そうしたときに教室の先生は表現したいことを受け止めて指導をしてくれます。

絵を描いたり工作をしたりして磨かれるのは、やはり創造力でしょう。さまざまなものづくりを通して、感性の鋭い子が育つといいます。また、ものを大切にする心、人にやさしくする心などを育てる、としている教室もみられます。

絵画/造形とあるように、教室の多くが「絵画造形教室」となっていて、絵画だけ・造形だけという教室はそれほど多くないようです。
月謝はおおよそ3,000円~1万円程度、そのほかに画材の代金がかかります。

【その他、表よりわかる傾向】

  • 全体的に、スポーツ活動より芸術活動のほうが実施率が低い
  • 芸術活動は女子が取り組んでいる率のほうが高い

最近話題の「STEM教育」とは?

時代とともに、人気を集めるお稽古事もあります。最近話題のお稽古事のトレンドに「STEM教育」(ステム教育)というものがあります。

STEM教育の「STEM」は、「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Mathematics(数学)」の頭文字をつなげたもの。つまり、いわゆる理系分野の才能を伸ばす教育を表します。理系分野の才能は社会への貢献度が比較的高いとみられることから生まれた考え方で、日本にもこの分野を伸ばす教育を行う「スーパーサイエンスハイスクール」(SSH)が全国に約200校あります。

加えて、2020年度からは小学校でプログラミングの教育が必修化されます。算数や理科の授業のなかで、プログラミング的な思考力(論理的な思考力)を身につけることが目標となっているのです。

そうした流れのなかで、プログラミング教室や理科の実験教室などが最近脚光を浴びています。

プログラミング教室では、子ども向けのプログラミング言語を使ってパソコンに親しみ、実際に遊べるゲームを作ったり、ロボットを動かしたりします。
小学校の学習指導要領には「パソコンの基本操作の習得」も記載されています。また何より、将来就職した際に、パソコンにまったく触れたことがない、という状態では仕事がおぼつかなくなる可能性もあります。
プログラミング教室に通うことで、パソコンの操作も論理的な思考も楽しみながらできるようになるでしょう。

また、理科の実験教室では、さまざまな実験を通して「なぜそうなるのか」を理論立てて説明する力を身につけます。正しい実験結果を導き出すには仮説をたて、実験の目的を決め、実験の方法を考えて、正しく行う必要があります。こうした考え方は、まさに論理的な思考そのものといえるでしょう。
もちろん、高校入試などでの数学や理科の試験対策にも役立つことでしょう。

おおよその月謝は、プログラミング教室が1万円~2万円程度、理科の実験教室が6,000円~1万円程度です。
なお、プログラミング教室では自分のノートパソコンを使うのが基本のようで、これを新たに用意するならば数万円の初期費用は必要です(レンタルしてくれるケースもあります)。

お稽古事には目標を決めよう!

以上、いろいろなお稽古事のメリットや費用面について紹介してきました。「あれもやらせてみたい」「これもいいに違いない」と思われるお稽古事が、きっとあったのではないかと思います。しかし、すべてのお稽古事をするには、時間もお金も足りません。

そこでぜひ考えていただきたいのは、そのお稽古事をどこまでやるのかという「目標」です。

たとえば、冒頭のスイミングであれば、

  • 水に長時間浮かんでいられるようにする
  • クロールだけはできるようにする
  • 4泳法ができるようにする
  • 全国大会を目指す
  • オリンピックを目指す

……などという具合に、目標が立てられるでしょう。これが決まると、取り組み方も変わってきます。複数のお稽古事をする場合も、それぞれに目標を立てることをおすすめします。
目標を達成したら、新たな目標を設定してもいいですし、やめてほかのお稽古事をするのもよいでしょう。目標がないまま、無理やり続けるのは費用対効果の面でも良いとはいえません。
また、社会や経済は刻々と変化してきています。あれもこれもやらせたくて選べないという場合には、これからの時代を見据えて、子どもの将来のリターンがより大きく見込めるお稽古事を優先するというのはいかがでしょうか。

例えば、これからの時代、語学を習得しておくと、子どもの将来の選択の幅がぐっと広がるのではないでしょうか。というのも、少子高齢化が加速する今後は、外国人労働者が日本に増え、国内で外国人に触れる機会が今よりもっと多くなるはずです。英語が堪能だと大学進学の際に海外の大学を選択肢に入れることができ、国内外で活躍できる可能性が広がります。外国人の友人もできて、いろいろな国の文化や考え方を吸収し、グローバルな視野を持つこともできるでしょう。仕事面でも、外資系の企業や外国で働くことも可能です。英語が堪能という条件が加わることで、年収にも違いが出てきます。

これを機会に現在やっているお稽古事と今後習わせたいお稽古事について、費用面や将来性、子どもの適性などから考え本当に効果があるのか、考えてみるとよいでしょう。

お稽古事で家計が圧迫されないために
家計管理はバランス良く!

教育費が本格的にかからない幼少期にお稽古事などの支出を重ねると、10年後、教育費が足りなくなって奨学金や教育ローンを借りることになってしまう可能性もあります。これらは返済が必要な借金です。借金というリスクを抱え、資金のないまま自分たちが老後に突入すると、子どもに負担をかける事態に陥るかもしれません。

資金はバランスよく配分することが大事です。目の前のことだけでなく視野を広く持って長期的な視点を持って家計を管理するようにしましょう。

教育費は「家計のブラックホール」!子供かわいさや期待感などから、とめどなくお金をかけてしまいがちです。知らないうちに教育費によって家計が圧迫されてしまうこともあるので、何よりも計画性を持つことが大事です。

子どもが生まれたら学資保険などに加入するなど、早めに準備をしましょう。早くから準備することで、有利に貯めることができる上に、将来の不安を少なくすることもできます。以前の記事でも触れましたが、学資保険はいつでも加入できるわけではなく、親、子どもともに年齢制限があります。商品によりいつまで加入できるか、加入できる年齢の上限は違いますが、気がついたときに学資保険に入れなかった!ということがないように、早めに準備をするようにしましょう。

かわいいわが子のために、あれもこれも習わせてあげたいという気持ちはわかりますが、あれもこれもと手をだしていると、お金も時間も足りません。そこで、お稽古事を習わせるにあたり、考えたいのが費用対効果、将来性、子どもの適性などです。また、お稽古事を始めている場合にも目標を設定し、目標を達成したらやめるなどルールを決めておくとよいですね。子どもが小さいうちにお金をかけすぎると、教育費の負担が重くのしかかる時期に準備できていなかったということになりかねません。お稽古事で家計が圧迫されないよう長期的な視点をもってバランスよく家計管理していきましょう。

監修/高山一恵(株式会社Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー)

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わが子は誰でもかわいいもの。あれもこれもとお稽古事を習わせたい気持ちはよくわかりますが、全て習わせようと思うとお金も時間も足りません。今回は定番の人気お稽古事から注目を浴びつつあるイマドキのお稽古事、選択する上でのポイントまでファイナンシャルプランナーの高山一恵さんが解説。ぜひ、お稽古事選びの参考にしてください。出産・育児のサポートサイト「ベビータウン」