最近は、大きなチェーン店でも個人商店でも買い物をすればポイントが付与されるポイントサービスを実施しているところがほとんどです。また、店舗での買い物だけではなく、ネットやクレジットカードでの買い物などでもポイントは付与されます。これだけ身近になったポイントですが、意外に上手に活用できている人は少ないようです。そこで、ポイントの上手な貯め方、使い方を厳選してご紹介!きっと家計も大助かりになること間違いなしです!
執筆者プロフィール
高山一恵(株式会社Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー)
(株)Money&You取締役。慶應義塾大学卒業。2005年に(株)エフピーウーマンの創業に携わり10年間取締役を務めた後、現職へ。主に女性向けに、全国で講演、執筆・監修、書籍、マネー相談を行っている。著書は「マンガでわかるiDeCoのはじめ方 ライバルはイデ子!?」(きんざい)、「35歳までにはぜったい知っておきたいお金のきほん」(アスペクト)など多数。ファイナンシャルプランナー(CFP)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
株式会社Money&You
目次
お得なポイント上手に使ってる?
「○○カードはお持ちですか?」
「お持ちでないなら、お作りしましょうか?」
お店でこんな言葉をかけられた経験、おそらく1度や2度ではないでしょう。ポイントカード(ポイントサービス)は、大きなチェーン店でも小さな個人商店でもよく行われています。
お店でもらえるポイントだけではありません。ネットを使った買い物をすれば、各サイトのポイントがたまります。クレジットカードを使えば、各カードのポイントが付与されます。飛行機に乗るともらえるマイル(マイレージ)も、ポイントのひとつです。
矢野経済研究所「2018年版 ポイントサービス・ポイントカード市場の動向と展望」によると、2017年度の国内ポイントサービス市場規模(ポイント発行額ベース)は1兆7,974億円。しかも、これからもさらに増えていくと予測しています。
こんなにも身近なポイントですが、あなたは上手に使えていますか?せっかくたまったのに使い忘れて有効期限が切れてしまったり、ポイントカードだらけで財布の中がパンパンになっていたりしませんか?
そこで今回は、各種ポイントの活用テクニックを厳選してご紹介。うまく使いこなせば、家計もきっと大助かりです!
日々の買い物で
よく貯まる共通ポイントを探そう!
まず大原則は、よく使うお店のポイントカードを持つこと。便利なのは、異なる店舗でも同じポイント(共通ポイント)が貯められるカードです。
共通ポイントとは、会社の垣根を越えて、さまざまなお店でもらえるポイントのことです。貯めたポイントは、1ポイント=1円などとして、お金と同じように使うことができます。
たとえば、Tポイント・Pontaポイント・楽天スーパーポイント・dポイントなどがあります。これら4つのポイントが利用できる主なお店を見てみましょう。
共通ポイント4種類の主な利用可能店舗一覧
Tポイント | Pontaポイント | 楽天スーパーポイント | dポイント | |
---|---|---|---|---|
スーパー・百貨店 | マルエツ・マミーマート・東武ストア | ライフ・高島屋 | 大丸 | ライフ・高島屋 |
コンビニ | ファミリーマート・サークルKサンクス | ローソン・ローソンストア100 | デイリーヤマザキ・ポプラ | ローソン・ローソンストア100 |
レストラン | ガスト・バーミヤン・夢庵・ドトールコーヒーショップ・ステーキのどん | 大戸屋・ケンタッキーフライドチキン・ピザハット | マクドナルド・くら寿司・ミスタードーナツ | マクドナルド・サンマルクカフェ・いきなり!ステーキ |
家電量販店 | エディオン | コジマ | ビックカメラ・ソフマップ・ジョーシン | ジョーシン・ノジマ |
スーツ・ファッション | 洋服の青山・THE SUIT COMPANY・アシックス | AOKI・ORIHICA | 紳士服コナカ・Right-on | GLOBAL WORK・LOWRYS FARM・studio CLIP |
ガソリン・車 | ENEOS・オートバックス・ニッポンレンタカー | 昭和シェル石油・日産レンタカー | コスモ石油・NPC24H | ナビパーク・オリックスレンタカー |
ドラッグストア | ウェルシア・ハックドラッグ・マルエドラッグ | トモズ | ツルハドラッグ・くすりの福太郎・ダイコクドラッグ | マツモトキヨシ |
ネットショッピング | Yahoo!ショッピング・Tモール・シャディギフトモール | ポンパレ | 楽天市場 | dマーケット |
その他 | スポーツデポ・東急ホテルズ・カメラのキタムラ・ヤマト運輸 | じゃらん・アパマンショップ・ゲオ・HMV・セガ・ピザハット | サカイ引越センター・バンダレコード・つるやゴルフ | イオンシネマ・東急ハンズ・メガネスーパー・ |
※この表に掲げたほかにも、多数の店舗で利用できます。
これだけ多岐にわたっていれば、日常生活に必要なものを買う際にはだいたいポイントがつけられることがわかると思います。
スーパーやコンビニはどこを使う?好きなレストランはどこ?家電やファッションなど、お気に入りの店は?など、自分の生活を見直してみれば、どのポイントが貯めやすいかがわかってくるはずです。
ここでは取り上げませんでしたが、セブン&アイの「nanacoポイント」やイオンの「WAON POINT」、JR東日本の「JRE POINT」なども、加盟店が多く利便性が高いでしょう。どうしても1つに絞れない…という方は、複数持っていても良いでしょう。
もっともよく使う1枚は
クレジットカードに対応させる!
共通ポイントカードが決まったら、その中でもっともよく使う1枚は、電子マネーの機能を利用するようにします。これは、あらかじめお金を入金(チャージ)しておくことで、店舗で現金代わりに利用できる機能です。(プリペイド式。なお、電子マネーによってはポストペイ式という後払いの形式に対応するものもあります)。
SuicaやPASMOといった交通系ICカードを利用して買い物をしたことはありませんか?それと同じような感覚で、共通ポイントカードを利用するのです。
このチャージを行う際に、クレジットカードを利用するのがコツ。クレジットカードとポイントカードを結び付けておくと、チャージしたときにクレジットカードのポイントが貯まり、ポイントカードの電子マネーを利用したときに共通ポイントが貯まります。つまり、ポイントが2回手に入れられるのです。
クレジットカードは、共通ポイントカードの各社が、共通ポイントの貯まる機能を搭載したカードを用意しています。こうしたカードを利用するのが一番簡単でしょう。
こうしたカードを使うと、普通のポイントカードよりもたくさんポイントが付くこともあります。また、特定の日やキャンペーンのときなどに優遇される場合もあります。もちろん、クレジットカードとして利用することもできます。
そのほか、今お手持ちのクレジットカードを利用して共通ポイントカードにチャージすることもできます。この場合は、次の2点を確認してください。
電子マネーにチャージしたときに、クレジットカードのポイントが付くか
クレジットカードの中には、電子マネーへのチャージではポイントが付かなかったり、付いても還元率が低かったりするものがあります。こうしたカードでももちろんチャージはできますが、ちょっともったいないですよね。
できるだけポイントの還元率が高いカードでチャージしたほうが有利になります。
クレジットカードのポイントは何に使えるのか
クレジットカードのポイントも各社さまざまあります。とはいえ、せっかく貯めても使い道がないのでは意味がありません。設定の前に、何に使えるのかも確認しておきましょう。
ポイントを別のポイントに交換できるサービスも!
先に紹介したクレジットカードのポイントの中には、共通ポイントに交換できるものがあります。
たとえば、リクルートのクレジットカード「リクルートカード」では、利用額の1.2%にあたるリクルートポイントが還元されます。還元されたリクルートポイントは、Pontaポイントに交換することができます(リクルートポイント1ポイント→Pontaポイント1ポイント)。
これなら、普段使いもしやすいですね。
また、ポイントの交換を専門で行うサービスもあります。
「Yahoo! JAPANポイント交換」では各種ポイントをTポイントに、「楽天PointClub」ならば各種ポイントを楽天スーパーポイントに交換できます。
さらに、「Gポイント」では、各種ポイントをいったんGポイントという同サイトのポイントに交換し、そこから共通ポイントなどに交換することができます。
いろいろなポイントが少しずつ貯まっているという場合には、こうしたサービスを使ってひとつにまとめてしまえば、使い道の幅が広がりますし、現に使いやすいのではないかと思います。
ただし、交換の際に手数料がかかったり、交換のレートが一律ではなかったりする場合もあります。これら手数料やレートは、交換前にきちんと表示されますので、手続きの前に必ず確認するようにしましょう。
こんなところでも使える!
ポイントのお得な使い道3選
ポイントが幅広くいろいろな用途に使えることがわかったところで、「こんな使い道もあるんだ」と思ってもらえそうなものを3つご紹介します。
マイルに交換する
航空会社のマイル(マイレージ)サービスも、ポイントと同じようなものです。飛行機に乗るたびにマイルがたまっていき、一定量貯まると航空券などと交換することができます。
実はこのマイル、ポイントで交換できることをご存じでしょうか。PontaポイントとdポイントはJAL、Tポイントと楽天スーパーポイントはANAのマイルにそれぞれ交換可能。その他の会社のポイントも同様にマイルへの交換に対応しています。つまり、飛行機に乗らなくてもマイルを貯めることができるというわけです。マイルで交換できる航空券を金額換算すると、1マイル=2円~3円程度になることも多く、お得といえるでしょう。
ポイントでマイルを貯めておいて、子どもが出かけられるくらいになったらみんなで旅行!なんていうのも、楽しいかもしれませんね。
商品券・ギフト券と引き換える
ポイントには、多くの場合有効期限があります。「有効期限が切れる!」といって、あわててそれほど必要でないものと交換してしまうようでは、せっかくのポイントも生かせなくなってしまいます。こんなときには、商品券やギフト券といった金券と交換できないか、チェックしてみてください。
商品券やギフト券であれば、基本的に有効期限はないため、改めてじっくりと欲しいものを検討できます。欲しいものが出てくるまで、待っていてもいいのです。もちろん、お金と同じようなものですから、選択肢もたくさんできるでしょう。
投資信託を買う
楽天証券では、楽天スーパーポイントを使って投資信託を購入可能。また、インヴァスト証券では、クレジットカードを使って貯まったポイントで自動的に世界のETF(上場投資信託)に投資することができます。
投資ですから、利益が出ることもあれば損失が出ることもあります。しかし、これまでポイントを使わずに、有効期限が切れるだけになっていた人ならば、仮に損失が出たとしても、失うのはポイントだけですから、リスクは比較的低い、と思えるかもしれません。もちろん、利益が出れば現金で受け取ることもできます。
かさばるポイントカードには
スマホアプリで立ち向かう!
「1枚なら大したことのないポイントカードも3枚になると……」
まるで毛利元就の「三本の矢」みたいですが(?)、ポイントカードもたくさん集まると結構かさばってしまいます。財布がパンパンになっている、店頭でポイントカードを探すのに苦労しているという人も少なくないのではないでしょうか。
そこで調べていただきたいのが、各社の公式アプリです。公式アプリには、ポイントカードとの連携機能が用意されていることがよくあります。これに手持ちのポイントカードを登録しておけば、店頭ではアプリを開いてバーコードを表示するだけ。ポイントカードを持ち歩かなくても、ポイントを貯めたり使ったりすることができるようになります。iPhoneならApp Store、AndroidならGoogle Playでお店の名前を検索してみましょう。
また、「Stocard」などのアプリで、異なる複数のカードのバーコードをスキャンしておけば、ポイントカードの代わりに使うことも可能です。ただしこちらは公式のアプリではなく、店舗によっては利用できないこともありますので注意が必要です。
ベビータウンのポイントも活用しよう!
以上、ポイントカード・クレジットカードのポイントのお得な使い方を紹介してきました。ほんの少しでも「これ、やってみよう!」と思ったことがあった人は、ぜひベビータウンのポイントも使ってみてくださいね。
ベビータウンの会員になると、ベビータウンのサポート企業であるユニ・チャーム製品を購入したり、提携サイトで買い物をしたり、アンケートに回答したりすることでベビータウンポイントを集めることができます。
ベビータウンポイントを集めると、景品や商品券などと交換することができるほか、抽選でもらえるプレゼントにも応募できます。
会員登録は無料でできます。ぜひ、活用しましょう。
そして、ポイントを上手に活用して節約できたお金はぜひ、将来の教育費などのために貯蓄しましょう。
教育費を準備する方法としては、財形貯蓄や銀行の自動積立定期預金、学資保険、つみたてNISA、ジュニアNISAなど、様々な方法があります。
低金利の現在、財形貯蓄や銀行の自動積立定期預金や学資保険は正直、金利面の魅力は低いですが、毎月決めた金額をコツコツと半ば強制的に、自動的に積立てていくことにより、着実にお金を貯めることができるメリットがあります。教育費は、使う時期が決まっているので、まずは、着実に貯蓄できる方法で貯めていきましょう。
最近は、大手チェーン店、個人商店での買い物など、店舗での買い物だけでなく、ネットやクレジットカードでの買い物でもポイントが付与されるようになりました。私たちの生活にぐっと身近になったポイントですが、日々の買い物でよく貯まる共通ポイントを探したり、電子マネーとクレジットカードが一体化されているカードを使ったりするなど、上手に活用すれば、さらにポイントがどんどん貯まります。ポイントは、マイルや商品券、投資商品などとも交換でき、家計の節約に大いに役立ちます。ポイントを上手に活用して節約できた分は、将来かかる教育費などに備えてきちんと貯蓄するようにしましょう。
監修/高山一恵(株式会社Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー)